Kii's Open Field

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2016年11月11日金曜日

雪のぶどう畑

冬の訪れが早い
ラニーニャ現象が継続中で、昨年までとは季節の進み方、振れ方が違う様子

10月は多雨
樹々たちはなかなか紅葉せず(休眠せず)、氷点下にたまりかねて落葉
雪の上にさくらんぼの、まだ緑の葉が落ちている

まだ11月も前半で、このままどんどん冬に向かうのか、秋がまた戻るのか
果樹も戸惑っているのかも知れない

こんな年は、翌春の芽吹きが今から心配される
もっとも、心配のない年など、ないのだろうけれど
私たちはただ、できるだけのこと、考えられる限りのことをやるのみだ

ぶどう畑の背後に頂白山



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2016年8月16日火曜日

鶴見橋商店街

今日は「畑の風景」ではなく、最近訪れた大阪の「街の風景」を書いてみました

唐突ですが、このページを読んだ方は、大阪の「西成」に行ったことがあるでしょうか
あるいは「西成」について、どんなイメージを持っておられるだろうか?
私のイメージは、
  ちょっと怖いところ、気軽に行ってはいけないところ
  日雇い、浮浪者が多く、治安が悪いところ


私事ですが、
母の容態が悪いとの連絡を受け、2年ぶりに帰阪、
たまたま西成に宿を取ることになり、この地を訪れた
今でも危険なところは残っているが、一方、最近は外国人訪問者が増えつつあるとのこと

私が泊まった宿は、鶴見橋商店街のすぐそばにあった
この商店街は、東西に走るアーケードが長く続き、大阪でも2番めの規模を誇るそうだ
古くからの店が残り、古臭いものも売っていて、でもたくさんの人で活気に溢れている
洒落たものはないかも知れないけれど、住む人に必要なものが揃う
シャッターの降りたままの店は少ない

まだこんな商店街が残っていたんだ...
そこでは私はまるで外国人訪問者のようでもあり、
タイムマシンで昔に戻ったようでもあった


古い
けれども、古いものがそれなりに使われている

汚い
しかし、不潔というのと一線を画している

人が多い
梅田やなんばの人混みとは違う
少し険しい顔をした人、思いつめたような表情の人、いろんな歴史が刻まれた顔、
どこかに何かを求めて歩いている

自転車率が高い
車椅子も多い
押してもらっている人だけでなく、電動で自走タイプのものも多数
それから、関西で古くから言われている「独りで勝手に怒っているおじさん」が居る
今回見かけたのは、おじさんではなくおばさんだったが

安い
生活に必要な食材、衣類を、小さな店で売っている
他の街では生き残っていけないような店がたくさん残っている
大手チェーン店がない
イ◯ン、大手コンビニ、大手100円ショップ、ユニ△ロ、ス□バ、マ◯クなど見当たらず
地元風コンビニ・地元風100円ショップはある
この付近のチェーン店「玉出スーパー」が激安
たくさんの人たちで賑わっている
大きなコロッケが19円(ひとり5個までの制限あり)

やっぱり人が多い
この近辺で働く人やその家族などが多い
独特の雰囲気で、眼を合わせることが難しい
自分が少し怖気づいているからかも知れない
他所者はすぐにそれと分かってしまうだろう
韓国人(在日?)も多いらしく、
韓国食材の店がそこかしこにある
日本風ではない本物のキムチが並ぶ

気の向くまま、面白そうだな、という嗅覚だけを頼りに歩きまわる
多分、気温は35℃を超えている中、
異国のようでいて、どこか懐かしく、
近寄りがたい筈なのに離れたくない
戦後がまだ風化していないのか
私が幼かった頃の大阪の街を想い出す
ここが中国なら、あの老上海の旧市街、
当局のクレーンで撤去されていなければ、わずかに残っているだろう街並みに似る
この雰囲気を忘れたくない
記録しておきたい衝動に駆られるが、
ポケットからカメラを取り出す気にもなれず


通天閣の真下は空虚、「◯◯の夕陽」のような面影はない


さらに歩いて、ちょっと外れてきたかなと思い、気が付くと通天閣の直下
大阪の真ん中に着いた気分だ
すぐそばには、美味しい物の宝庫「新世界」、そして道頓堀、戎橋を経てなんばへ

心斎橋筋界隈は、鶴見橋の懐かしい風景とはまったく違う
外国人観光客比率が70%を超えている
中国、台湾、韓国から、夏休みで若い人が数多く訪れている
ここで目にするのは、それぞれの国では余裕のある人たちなのだと思う
そして少なくとも今は、日本の経済のいくらかの部分を担っているのだろう

平日昼間の戎橋付近は異国の様相


そして、
足にマメができるまで歩きまわった私自身も、
国籍は日本人だけれども、
ここでは外国人とある意味同じだと気付く


ここには住めないことはよくわかるし、大阪に戻るつもりもない

けれども、
翌日もまた少し違う道を歩いた

午前中だが暑い
ここが有名な三角公園...
などと直視することもキョロキョロ見回すこともできず、
立ち止まることもなく、
足をひきずるようにして、
JR新今宮までたどりついた

そうして、名残惜しさと安堵とが混じった不思議な気持ちで、
暑いタイムマシンを降りたのでした

淀川の支流、土佐堀川を渡って梅田へ



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2016年8月14日日曜日

プルーン「オパール」の樹

今年の8月は雨がない
そして暑い
早生プルーン「オパール」の熟成にとっては最高の天候

この1本の樹から、約1000個のプルーンの実が採れます
でも、もし放任したら...
つまり、摘果などをまったく行わなければ、
今年は豊作だったので、おそらくその10倍のプルーンが実ったことでしょう
個々の果物は少し小さく、熟成も進みにくかったかも知れません
しかし、それは放任と摘果の両方を試すことはできなかったので、
単に想像するだけです
放任と摘果、どちらが樹にとって幸せだったか、わかりません
きっと、たわわに成った果実の1つを、枝から引き剥がすのは、
たいへんだったことと思います。

ひとりの農家は自然に放任するよりも摘果して、大きな果実が欲しい、
間違いなく美味しくなってくれ、と願いました

オパールの樹



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2016年5月4日水曜日

さくらんぼの人工授粉 (1) 花摘み、開葯

今日はさくらんぼの花摘み

春の気候は変わりやすい
2日前までは遅霜に震えた
朝の気温は氷点下
畑は白く凍った

昨日は一転して20℃を越え、
樹々たちは一斉に開花へと進んだ
そこで本日は雨模様ながら、
さくらんぼの花摘みを行った

さくらんぼは通常、1種類では結実しずらく、
佐藤錦や南陽は、別の品種(水門など)と混在することで、
受粉し、結実するという
遺伝子がちょっと違う雄しべと雌しべが出会う必要があるため

自然界では、蜂などの動物が花粉を運んで結実させるところ、
心配症の果物農家は、人工授粉プロセスを確立した
今日はその前半、花摘みから開葯まで

開花したばかりのさくらんぼの花、でも受粉に使うのはこの花ではなく・・・

開花直前の風船状のつぼみを採取、この方が花粉利用率が高いので

雨の合間に花を採取、ひとつずつ手で取っていく

開葯工程はJAにお世話になる まずこの機械でおおまかに花粉(おしべ)と花びらなどを分別

その後、ふるいで軸などを除いて、開葯(25℃〜30℃ 約1日乾燥)

以上は、授粉のための「おしべ」を採る作業
このようにして採った「おしべ」を、「めしべ」と出会わせる授粉は数日後のこと

先人の知恵
手間の掛かる工程
自然の振舞いには及ばないが、その摂理を代行している


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2016年4月29日金曜日

春の停滞

まるで冬のような寒さに、樹々たちは立ち止まっているようだ
雨から雪になりそうな雲行き
4日前、梅が開花したものの
あとに続くさくらんぼ、西洋梨、プルーンなどすべて蕾のまま...


4日前に開花したがまだ2部咲きの梅


さくらんぼの蕾 フットボールの形をした矢印のような部分が開いてくるはずだが・・・


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2016年4月24日日曜日

春の進行(2) 梅の開花間近に

4月、好天率80%、気温は平年より低め
植物たちの成育は今のところ順調

りんご「陸奥」はちょっとゆっくりめの展葉

さくらんぼ「水門」芽がほころんできた

畑でいちばん早く咲くのは梅、明日開花しそう

プルーン「ベイラー」葉芽が先に出てくる

西洋梨「バートレット」もほころんできた

これは番外編、アスパラ3年苗が顔を見せ始めた

ウドも出始め

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2016年4月16日土曜日

春の進行 〜 桜桃の発芽

冬と春の勢力争い
雪解けが早まった今年、樹々たちも目覚めようとして、
私たちには見えない土中の根はもちろん、
つぼみの膨らみも目立つようになってきた

このつぼみの「発芽」という時期が微妙
栽培履歴簿の定義には、
「葉芽の先端が破れ、葉先の緑色が現れた芽を2~3芽認めた日」
とあり、品種によっては既に発芽している様子

「水門」のつぼみ 中央の小さのが葉になる芽 わずかに緑の姿が見える

中央上を向いているのが「紅秀峰」の葉芽
あらかじめ花芽を半分以下の数に減らしてある(摘蕾)





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2016年3月17日木曜日

ふきのとう(今季初)

ここ数日、異常な高温と好天が続き、畑の雪もどんどん融けていきます
春の勢いに冬の勢力が負けて、立ち去ってしまうかのように
けれどもまだまだ油断は禁物
ブルーベリーの冬囲いを外そうか、という誘惑にかられたけれど、もう少し我慢

途中の土手で、春を知らせるふきのとうが顔を見せていました
まだ数個ですが、出始めたところなのか、ぷっくりとして、しっかり締まって開いていません

とりあえず天ぷら?
たくさん出てきたら、あまり甘くないふき味噌を仕込む予定




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2016年3月1日火曜日

晴れ時々嵐、冬の畑風景

雪の少ないこの冬
気温は平年並み
例年より好天の日も多い
目の覚めるような、深い青空
こんなくっきりとした青さは、北海道の冬ならではのもの
思わず吸い込まれてしまいそう...

昨日からは荒天
横殴りの風雪は、木の上にも積もらない

晴れた日  陽の光が雪面にまぶしいぶどう畑

雪の日も剪定  さくらんぼ畑にて

剪定を終えたプルーンの木


ブルーベリーは大半が雪の中  荒れた天気でも関係なし

吹雪 一番上の写真と同じ、ぶどう畑を眺める



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2016年2月2日火曜日

剪定を始める

この冬も立春を前に剪定作業をはじめる
例年と違って、比較的好天に恵まれて

目指すは西洋梨畑
まだ、ふわふわの雪なので、スノーシューで移動
朝はマイナス10℃、昼も0℃を超えない
それでも、時折り陽が差すと暖かい

服装はフル装備の重ね着
もこもこで、やや動きにくいのは我慢、
寒さで身体が硬くなるのは危険

宇宙人登場!

剪定は、春の芽吹き、夏の成長、秋の実りを想い描きながら、
陽当りと風通しを考え、
枝同士の重なりあいをなくし、木全体の樹勢バランスを見ながら、
木々と会話しながら進めていく

実は、剪定は欲との闘い
切り落とす枝には、今年収穫できる筈だった、果物のモト(花芽)がついているのだから
今年の収穫を少しだけ我慢して、木の健全な生育を目指す
果物収穫(すなわち農家の収入=欲)との葛藤が続く …

1m長のハサミで枝を切っている。手前には脚立も見える。



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2016年1月16日土曜日

エルニーニョ暖冬の終焉?

12月後半まで積雪がほぼゼロだった今シーズン
最近になって盛り返してきて、今は平年並みの積雪
冬らしい寒気団のおかげで、ふわふわのパウダースノー
ちょっと冬型の天候が緩んで、久しぶりに陽射しが畑に注ぐと、
雪面は宝石のようにキラキラと光りだす
スノーシューでも膝近くまで埋まる雪の中を散歩

冬囲いしたブルーベリー 半分ほど隠れています

プルーンの下枝がもう少しで雪に埋もれそう


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