Kii's Open Field

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2018年2月3日土曜日

捕われのイタチくん

雪の中、畑で剪定作業を進めている。
さて、今日もがんばるぞと、倉庫に鋏などの道具を取りに入ると・・・

いました!
写真の動物が。

激しく動きまわっていたので、たまたまじっとしていた瞬間


ワナに捕まっています。なかなか立派なしっぽ!


イタチかな? テンかな?
タヌキやアライグマではなさそう。
後で調べたら、イタチくんのようです。

北海道の果物農家が、熊の次に怖れるのはアライグマです。
彼は雑食で、獰猛、穴掘り得意、木登りOK、水場大好き。
向かうところ敵なし、天敵は熊のみとか。
一方、キツネ、タヌキ、イタチ、テンなどは果物畑には大きな影響はないようです。

恐ろしきアライグマは、近隣に生息しているとの噂だったところ、
昨秋、遂にお隣の農家さんの畑に現れ、野菜などに被害がありました。
そこでしばらく経ったある日、
その農家さんと相談し、役場からワナを借りてきて、
お隣さんとうちとで、それぞれ仕掛けることにしました。

けれども、時は既に晩秋、
もう被害に遭う食物が畑にありません!
そうこうする内に雪も降り始め、畑へのワナ設置を断念...
そこで、納屋にも現れるとの話を聞き、
なんとなく置いてみました。
ダメ元で、餌として、貯蔵していたりんごを供出して。

それから、あっという間に冬になり、倉庫の中もマイナス温度になって、
供出されたりんごも凍結。
設置から2ヶ月以上経ち、
ワナに掛かるものはなく、
すっかりあきらめていました。
倉庫の中に仕掛けたことも、忘れがちだったところ、
今朝の捕物となったわけです。

夜中のうちに入ったのでしょうか、りんごも少し噛られています。
私たちが倉庫に入って気が付くと、
ワナの中のイタチくんは、突然暴れ始めたようです。
金網でできたワナは一旦入ると、中からは開かない仕組みになっていますが、
なんとか隙間から出ようと必死です。
仕方がないので、イタチくんを入れたままワナを持って雪の畑に移動し、
ワナを開いてやると、
いち目散に逃げ去っていきました...

今回、獲物はアライグマではありませんでしたが、
借りてきたワナが、きちんと機能することを確認できたことが収穫でした。

それにしても、
倉庫の中へは数cmほどの隙間しかなく、いったいどこから入ったのか??


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2018年1月19日金曜日

最強寒波の狭間にて

新雪を被った畑が眩しい
光る雪面には動物の足跡
穏やかな冬の朝

予報によれば、翌週はシベリヤから寒波の渦がやってきて、また暫く居座る見込み
今年の積雪は少なめ
上下変動の激しい気温と、たまに降る季節はずれの雨で融けたためか

私たちは1月は畑作業を完全に休みます
除雪や雪下ろしの作業はありますが、
基本はそれぞれの思いで充電に入ります

斜面を登ってブルーベリー畑から果樹園全体を見おろす向こうは、仁木の街並みと山々

8年経ったプルーンの若木(剪定前)は、すっかり大人のように枝を広げている





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2017年8月25日金曜日

カラスの害 西洋梨編

油断していたのかも知れません
ある日気が付くと、収穫前の西洋梨が食べられていました
食べ跡を見ると、カラス!

一昨年にも食害がありました
昨年は彼らの通り道がちょっとずれて、被害はありませんでした
それで安心したのです
2年前の味を覚えているかのように、
同じ場所を狙ってきました

収穫にはまだかなりの日数が掛かる西洋梨の未熟果
まだ甘くなるには遠い状態の果物にも関わらず、

なぜカラスに人気があるのか・・・

大きな梨「ゼネラル・レクラーク」がカラスには人気です



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2017年6月7日水曜日

さくらんぼハウスのビニール掛け

さくらんぼハウスは「雨除けハウス」と呼ばれます。
目的は文字通り、さくらんぼの果実を雨から防ぐため。
さくらんぼの熟した果実は柔らかく、雨に当たると吸水し、皮がはじけて割れてしまいます。
果実が柔らかくなり始めるのは、果実が赤くなる少し前、収穫開始の3週間ほど前から。
その時期から、収穫を終えるまでの2ヶ月弱の間、ハウスにビニールを被覆します。

年に1度のビニール掛けは、果樹園に夏の訪れを告げる、大きなイベントであるとともに、
地域の農家さんたちの助け合いに支えられた、大切な行事です。
0.1mm以下の厚さとはいえ、幅約7m、長さはハウスの長さ(当園では約50m)のフィルム、
重量もバカにならず、ハウスの上に持って上がるだけでもたいへんです。
それらをハウスの屋根の上に広げて留め付けていく重労働。
私たちは毎年、先輩農家さんたちに、時間を割いて助けていただいて、
総勢10名の共同作業が終了すると、
なぜか毎年、さくらんぼ農家になった気分になるのです。


まずはじめに、フィルムをハウスの長さ方向に運んでいきます
作業者はハウスの樋の上を歩いています

次に、アーチの反対側へビニールを広げていきます
両サイドを専用の治具で留め付けます


完成です





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2017年5月2日火曜日

さくらんぼのつぼみ

北海道 仁木町にも、ようやく、
春がすぐそこまでやってきました
雪解けから3週間
樹々たちはずいぶん前に眠りから覚めていました
相変わらずの低温に耐え、
やっと花を咲かせようとしています

つぼみを膨らまし、花を咲かせるこの時期は、
植物にとって、新しい生命を生み出すために、
とても大きな形態変化をともなう時です
外敵や気象の変化に敏感な時期でもあり、
ここ数日の天候、気温、風の様子が、
夏の結実にも大きく影響します

農家はできる限り手を掛けて、
力を添えます
良い結果が得られますように
自然の力にはかなわないと知りつつ


さくらんぼのつぼみ。白く見える部分が花びらになります

梨の花芽も解けて、1つの芽から7つものつぼみが顔を出しました




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2017年1月7日土曜日

除雪はじめ

大晦日から正月三が日は、珍しく穏やかな天候が続きました
初日の出こそ逃しましたが、目立った降雪も強い風もなく、
「正月ぐらい休めよ」と言われているような日々

けれども次週はこの冬1番の寒波が予想されています

季節の振れが激しくなっている・・・そんな傾向は、
きっと、ずっと以前からあったのでしょうが、
農家になってからは、そのことをより強く感じるようになりました

今回もしも、地球規模で渦となっている気流の気まぐれが激しければ、
ここ数年では記憶にないほどの強くて大きな振れがあるかも知れないとのこと
記録的とか、歴史的な、という言葉が浮かびますが、
そんなのにも慣れてしまったような気がします

畑の植物たちは眠っていてくれてはいるのですが、
あまりに激しい気温低下には、きっと耐えられないでしょう
人間にできることは、たかが知れています...

住居や倉庫周辺は、除雪機で出動!
30馬力の、とても頼りになる機械です
でも、時々肝心なときに機嫌が悪くなるんです

わかりにくいですが、さくらんぼハウスのアーチとアーチの間、樋に登っています
この樋の部分は構造的に弱いので、溜まった雪を時々下ろしてやります
矢印のところで作業しているのは妻です
ちなみに、このハウスにビニールを張るのは、収穫期の1ヶ月半ほどだけです




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2016年11月11日金曜日

雪のぶどう畑

冬の訪れが早い
ラニーニャ現象が継続中で、昨年までとは季節の進み方、振れ方が違う様子

10月は多雨
樹々たちはなかなか紅葉せず(休眠せず)、氷点下にたまりかねて落葉
雪の上にさくらんぼの、まだ緑の葉が落ちている

まだ11月も前半で、このままどんどん冬に向かうのか、秋がまた戻るのか
果樹も戸惑っているのかも知れない

こんな年は、翌春の芽吹きが今から心配される
もっとも、心配のない年など、ないのだろうけれど
私たちはただ、できるだけのこと、考えられる限りのことをやるのみだ

ぶどう畑の背後に頂白山



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2016年8月16日火曜日

鶴見橋商店街

今日は「畑の風景」ではなく、最近訪れた大阪の「街の風景」を書いてみました

唐突ですが、このページを読んだ方は、大阪の「西成」に行ったことがあるでしょうか
あるいは「西成」について、どんなイメージを持っておられるだろうか?
私のイメージは、
  ちょっと怖いところ、気軽に行ってはいけないところ
  日雇い、浮浪者が多く、治安が悪いところ


私事ですが、
母の容態が悪いとの連絡を受け、2年ぶりに帰阪、
たまたま西成に宿を取ることになり、この地を訪れた
今でも危険なところは残っているが、一方、最近は外国人訪問者が増えつつあるとのこと

私が泊まった宿は、鶴見橋商店街のすぐそばにあった
この商店街は、東西に走るアーケードが長く続き、大阪でも2番めの規模を誇るそうだ
古くからの店が残り、古臭いものも売っていて、でもたくさんの人で活気に溢れている
洒落たものはないかも知れないけれど、住む人に必要なものが揃う
シャッターの降りたままの店は少ない

まだこんな商店街が残っていたんだ...
そこでは私はまるで外国人訪問者のようでもあり、
タイムマシンで昔に戻ったようでもあった


古い
けれども、古いものがそれなりに使われている

汚い
しかし、不潔というのと一線を画している

人が多い
梅田やなんばの人混みとは違う
少し険しい顔をした人、思いつめたような表情の人、いろんな歴史が刻まれた顔、
どこかに何かを求めて歩いている

自転車率が高い
車椅子も多い
押してもらっている人だけでなく、電動で自走タイプのものも多数
それから、関西で古くから言われている「独りで勝手に怒っているおじさん」が居る
今回見かけたのは、おじさんではなくおばさんだったが

安い
生活に必要な食材、衣類を、小さな店で売っている
他の街では生き残っていけないような店がたくさん残っている
大手チェーン店がない
イ◯ン、大手コンビニ、大手100円ショップ、ユニ△ロ、ス□バ、マ◯クなど見当たらず
地元風コンビニ・地元風100円ショップはある
この付近のチェーン店「玉出スーパー」が激安
たくさんの人たちで賑わっている
大きなコロッケが19円(ひとり5個までの制限あり)

やっぱり人が多い
この近辺で働く人やその家族などが多い
独特の雰囲気で、眼を合わせることが難しい
自分が少し怖気づいているからかも知れない
他所者はすぐにそれと分かってしまうだろう
韓国人(在日?)も多いらしく、
韓国食材の店がそこかしこにある
日本風ではない本物のキムチが並ぶ

気の向くまま、面白そうだな、という嗅覚だけを頼りに歩きまわる
多分、気温は35℃を超えている中、
異国のようでいて、どこか懐かしく、
近寄りがたい筈なのに離れたくない
戦後がまだ風化していないのか
私が幼かった頃の大阪の街を想い出す
ここが中国なら、あの老上海の旧市街、
当局のクレーンで撤去されていなければ、わずかに残っているだろう街並みに似る
この雰囲気を忘れたくない
記録しておきたい衝動に駆られるが、
ポケットからカメラを取り出す気にもなれず


通天閣の真下は空虚、「◯◯の夕陽」のような面影はない


さらに歩いて、ちょっと外れてきたかなと思い、気が付くと通天閣の直下
大阪の真ん中に着いた気分だ
すぐそばには、美味しい物の宝庫「新世界」、そして道頓堀、戎橋を経てなんばへ

心斎橋筋界隈は、鶴見橋の懐かしい風景とはまったく違う
外国人観光客比率が70%を超えている
中国、台湾、韓国から、夏休みで若い人が数多く訪れている
ここで目にするのは、それぞれの国では余裕のある人たちなのだと思う
そして少なくとも今は、日本の経済のいくらかの部分を担っているのだろう

平日昼間の戎橋付近は異国の様相


そして、
足にマメができるまで歩きまわった私自身も、
国籍は日本人だけれども、
ここでは外国人とある意味同じだと気付く


ここには住めないことはよくわかるし、大阪に戻るつもりもない

けれども、
翌日もまた少し違う道を歩いた

午前中だが暑い
ここが有名な三角公園...
などと直視することもキョロキョロ見回すこともできず、
立ち止まることもなく、
足をひきずるようにして、
JR新今宮までたどりついた

そうして、名残惜しさと安堵とが混じった不思議な気持ちで、
暑いタイムマシンを降りたのでした

淀川の支流、土佐堀川を渡って梅田へ



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2016年8月14日日曜日

プルーン「オパール」の樹

今年の8月は雨がない
そして暑い
早生プルーン「オパール」の熟成にとっては最高の天候

この1本の樹から、約1000個のプルーンの実が採れます
でも、もし放任したら...
つまり、摘果などをまったく行わなければ、
今年は豊作だったので、おそらくその10倍のプルーンが実ったことでしょう
個々の果物は少し小さく、熟成も進みにくかったかも知れません
しかし、それは放任と摘果の両方を試すことはできなかったので、
単に想像するだけです
放任と摘果、どちらが樹にとって幸せだったか、わかりません
きっと、たわわに成った果実の1つを、枝から引き剥がすのは、
たいへんだったことと思います。

ひとりの農家は自然に放任するよりも摘果して、大きな果実が欲しい、
間違いなく美味しくなってくれ、と願いました

オパールの樹



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2016年5月4日水曜日

さくらんぼの人工授粉 (1) 花摘み、開葯

今日はさくらんぼの花摘み

春の気候は変わりやすい
2日前までは遅霜に震えた
朝の気温は氷点下
畑は白く凍った

昨日は一転して20℃を越え、
樹々たちは一斉に開花へと進んだ
そこで本日は雨模様ながら、
さくらんぼの花摘みを行った

さくらんぼは通常、1種類では結実しずらく、
佐藤錦や南陽は、別の品種(水門など)と混在することで、
受粉し、結実するという
遺伝子がちょっと違う雄しべと雌しべが出会う必要があるため

自然界では、蜂などの動物が花粉を運んで結実させるところ、
心配症の果物農家は、人工授粉プロセスを確立した
今日はその前半、花摘みから開葯まで

開花したばかりのさくらんぼの花、でも受粉に使うのはこの花ではなく・・・

開花直前の風船状のつぼみを採取、この方が花粉利用率が高いので

雨の合間に花を採取、ひとつずつ手で取っていく

開葯工程はJAにお世話になる まずこの機械でおおまかに花粉(おしべ)と花びらなどを分別

その後、ふるいで軸などを除いて、開葯(25℃〜30℃ 約1日乾燥)

以上は、授粉のための「おしべ」を採る作業
このようにして採った「おしべ」を、「めしべ」と出会わせる授粉は数日後のこと

先人の知恵
手間の掛かる工程
自然の振舞いには及ばないが、その摂理を代行している


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